Windows+VSCodeでのTex環境構築とEPSの図がずれることへの対処
Windowsでの自分が考える快適なTex環境の構築方法です。 特に、いつもEPSの図がずれるというところで詰むので、対処方法についてまとめました。
Texのインストール
情報が多く落ちているので困らないかもしれませんが、Tex LiveのISO imageをダウンロードし、WinCDEmuなどでマウントし、インストールのためのバッチファイルを起動します。あとはインストーラーの指示に従うだけです。
VSCodeの設定
Latex-Workshopの拡張機能をインストールし、 ファイル>基本設定>設定からJSONファイルの編集画面に移り、以下の設定を追加します。
"latex-workshop.latex.recipes": [
{
"name": "make_ptex2pdf",
"tools": [
"ptex2pdf"
]
}
],
"latex-workshop.latex.tools": [
{
"name": "ptex2pdf",
"command": "ptex2pdf",
"args": [
"-l",
"-ot",
"-kanji=utf8 -synctex=1",
"%DOC%"
]
}
]
ここまでやると、Texの環境が構築できており、.texファイルを開いて任意の個所を右クリック>Build LaTeX project
でビルドされます。
右クリック>Latex workshop
>View PDF file in new tab
で生成されたPDFファイルを見ながらTexを編集できます。
EPSの図がずれることへの対処
PDFに載せたい図をパワーポイントで作成し、EPSプリンタでEPSファイルに変換し、GSviewでBounding Boxを設定して図の載せたい領域を設定する人も多いかと思うのですが、 Windows環境では、EPSの図がずれることがあります。昔構築した環境では問題なくできていましたが、最近Texをインストールすると毎回、図がずれるようになりました。 これはTexがEPSファイルのBounding Boxを無視してしまうからです。 解消方法としては以下2つの情報がネット上にはありますが、私の場合はうまくいきませんでした。
-dEPSCrop
オプションを入れてepsからpdfに変換する。
ps2pdf -dEPSCrop input.eps output.pdf
- .texファイルのパッケージのインクルード方法の記述を以下のように書く。
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
これらの対処を行ってもBounding Boxが無視されるため、私はEPSファイル自体をトリミングして解消を行いました。 そのためのシェルスクリプトを作成しましたので以下からダウンロードし、EPSファイルが入っているフォルダに入れて、 Cygwin, Windows power shellなどで実行してください。
実行方法は以下の通りです。
-
./cropEPS XXX
: 同じフォルダにあるXXX.epsをトリミングします。 -
./cropEPS all
: 同じフォルダにあるすべてのepsファイルをトリミングします。
ここまで説明しましたが、過去のEPSで作った図の資産がない人は、パワーポイントからEPSにせず、直接PDFを作成し、PDFをトリミングしてTexに張り付けるのが良いと思います。PDFをトリミングするフリーソフトはいくつかありますが、上と同様なシェルスクリプトを作成したので使って下さい。
Cygwinの設定方法
Cygwinをインストールしていなければ、以下が最低限設定すると便利な機能です。
任意のディレクトリでCygwinを開くための手順を記載します。
インストールの際に、Select PackageのViewの欄からNot Installed
を選択し、Serachの欄にchere
と入力し、検索で出てきたものを選択します。
インストール後に、ターミナルからchere -i -t mintty -s bash
を入力します。
これにより、任意のフォルダで右クリックした際に、そのフォルダ上でCygwinを開くことができるようになります。